第15章 交流
――夏油side――
私の腕が治ったのは交流会の前日だった。
肩を回しても腕を振ってもなんの支障もない。
「あまり無茶してくれるなよ」
「なに、心配してくれてんの?」
「私の仕事が増える」
「あっそ」
私の事を心配してくれたんだと思って素直に喜んだ私が馬鹿みたいじゃないか。
そう言えばこの女も五条悟とお兄ちゃんの同期だった。
こういうところあるからな、こいつら。
「心配もしてるから拗ねるな拗ねるな」
「拗ねてねえし!!」
いらってしたのが顔に出ていたらしい。
にやりと笑った家入硝子は私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
犬じゃねえんだよ。
ぶつくさ言いながら医務室を出れば、なぜか扉の前には釘崎がいた。
満面の笑みで私を見る釘崎。
「なに?」
「買い物行くわよ」
「は?なんで?私部屋で休みたい」
「なんでって明日何の日か忘れたの?」
「明日……?ああ、交流会」
「そう!!だから買い物に行くのよ‼」
だからなんで?
明日京都の奴らと交流会ではあるけど、バチバチの戦闘なんだけど。
ぐいぐいと腕を引かれ、私は釘崎のペースに飲まれたまま買い物に付き合った。
洋服やコスメを買い漁る釘崎。
明日の為の準備とか言ってるけど、話が嚙み合ってないと思うのは私だけだろうか。