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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第14章 明日







毛布を見つめる私の頭に五条悟の大きな手が乗せられた。
顔を向けると、五条悟は小さく笑っていて。

「あんまオススメしないよ?この生き方」
「……ふっ」
「なんで笑うの?」
「別に」
「僕からの、というか、担任としてのアドバイス。泣きたい時は泣く。つらい時はつらいって言う。しんどい時はできるだけ早く吐き出す。これ基本。でないと、タイミングの読めない爆弾をずっと抱えて生きていくことになるよ」
「……経験談?」
「さぁ、どうかな。でも、子供の弱音を受け止めて正しい道へ導くのも僕ら大人の役目だからね。我慢することはないんだよ」
「教師みてえなこと言うんじゃねえよ」
「教師だよ」

くしゃりと頭を撫でる。
乱れる髪の毛を直すこともせずに、ただされるがまま。

「泣けばいいじゃん。友達だったんでしょ」
「友達……じゃない。虎杖の友達だったんだ。私は、違う……」
「だから泣けないって?馬鹿だね、お前」

五条悟は私の体をベッドに押し倒した。
ベッドに沈む体。
私の顔の横に男の両手が置かれ、私の体は男のデカイ身体によって覆われた。
視界は五条悟の顔が映る。
マスク越しの瞳がじっと私を見つめていて。
見つめられるのが嫌で視線を反らした。

「悠仁が死んだ時はあんなに泣いたくせに。なんで今は泣けないの?」
「だから、泣けるわけないだろ。友達でもないし、それに……」

尻すぼみになる言葉。
その先は言えなかった、言わなかった。





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