第14章 明日
次に目を覚ました時には、熱はだいぶ下がったため部屋に戻ることにした。
まだおぼつかない足取りではあるけど、無事に部屋に到着。
扉を開けた瞬間、私のベッドに腰かける男の姿を見てパタンと閉じた。
「ちょっと、なんで閉めるの?」
「いきなり自分の部屋に知らない男がいて恐怖を覚えた」
「みんな大好きGLGの五条先生だよ?もう忘れたの?若年性アルツハイマー?」
「あー思い出してきたー。一発ぶん殴ってやる!」
「こらこら。まだ病み上りなんだから暴れないの」
繰り出した拳を簡単に止められ、そのまま私はベッドへと投げ飛ばされた。
自分で暴れておいて言うのはアレだけど。
私一応病人だからな。
投げ飛ばされたまま私はベッドに横になる。
起き上がる体力はない。
ベッドの淵に腰を掛ける五条悟。
スプリングが音を立てた。
いつまでここにいるつもりだろう。
というかなんでここにいるんだろう。
横目で五条悟を見れば、目と目が合った。
正確に言えばマスク越しにだけど。
「何かあったら報告してって言ったでしょ」
「説教?」
「そう。お説教」
「……あのさ」
「ん?」
ゆっくりと体を起こそうと身体に力を入れれば、五条悟が背中に手を添えて支えてくれた。
久し振りに触れる体温に安心が身体に染みわたる。
それを感じながらも、私は小さくぽつぽつと言葉を零す。