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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第13章 狂愛







「そんな風にさ、そんな風にしか人を好きになれないなんてかわいそうだなって思って……。釘崎なら、わかってくれないかなって思って……」
「だからここに来たのね」

伏黒だってわかると思うけど、あっちに行かなかったのは、伏黒が"男"だからでしょうね。

「本当に可哀そうなのは"おかしくなるほど好きになる"ってことじゃないと思うわよ」
「え?」
「相手が"おかしくなるほど好きになる価値のない奴"だった場合が一番可哀そうなことよ」
「……そう、か」
「だから夏油。あんたも人を好きになってもなられても、途中で投げ出すような真似をしちゃだめよ」
「そんな事しねえよ」
「そ。なら頑張りなさいよ」
「え?うん?え、何が?」

きょとんと首を傾げる夏油。
自覚、なし。
夏油が誰かさんに好意を抱いていることは何となくわかっている。
それが果たして本当に好意なのか殺意が変化したものかは分からないけど、意識をしているのは知っている。
それを本人も知らなければ、あっちも気づいていない。
というか、あっちも夏油に気があるのが見え見えなのよね。
お互いにそのことに気づいていないから面倒くさい。

それでも自覚した時にちゃんと好きだと言えればいいと思う。
本当は虎杖が生きていたら虎杖にしろって言いたいところだけど。
夏油が縋れる人間がその誰かさんだというのなら、それはそれでいいのかもしれないとも思う。

私はね、夏油。
アンタのこと面倒な女って思ってるけど、友達だしなんやかんや幸せになってほしいって思ってるのよ。
だって、あんたはいい奴で私の友達だから。

友達の幸せを願わない友達なんていないでしょ。

なにかあったら相談してよね。
その時は全力で応援してあげるから。





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