第13章 狂愛
「掛軸ともし呪霊が繋がっていると仮定して、あれを燃やしても意味ないわね。呪いは呪いでしか祓えないんだから」
「呪力は感じられないのに、繋がってるって断言できるか」
「原因はあれだから断言はできるっしょ」
「つまり夏油が言いたいのは、掛軸=小林茜=怖いってなったからああいう形で呪霊が生まれたって言いたいのね」
釘崎が私の言いたいことを綺麗にまとめてくれた。
私はそれが言いたかった。
「……そう考えれば辻褄はあわなくはない、か」
「まぁ、これは私個人の考えだからそうとは言い切れないけど」
「とりあえず、もう一回みるか。なにか新しいことが分かるかもしんねえからな」
ドレッサー前に置かれていた椅子に座っていた伏黒が腰を上げる。
それと同時に私も腰を上げた。
「……なんで一緒に立つんだよ」
「オマエの部屋にいくわ。ここで広げられたら困る」
「マジで怖がりだな……」
ここに掛軸を持ってきて広げられたら、私は今夜寝れない。
夢にでてくるわ。
はぁ、とため息を吐く伏黒。
私は「いいから行くぞ」と伏黒の背中を押した。
そして後ろをついて歩き、私と釘崎は隣の部屋の中へとはいったのだった。