第13章 狂愛
「で、これは私の一つの仮定なんだけど。あの掛軸とあの呪霊は繋がってんじゃねえ?って思った」
「どういうことだ」
「もっと詳しく説明しなさい」
「うまく説明できっかな……。まず呪霊を祓えなかったのは、あれは本体じゃないから。原因は掛軸にあるって共通認識でいいよな」
「ああ」
私も自分の考えに自信が持てないため、紙とペンで図式にして説明をした。
「小林茜の呪霊は掛軸からの呪力を吸ってんじゃねえかなって思ってる。掛軸から呪力を感じられないのはもうほとんど残ってないからなんじゃね?っていう感じ」
「こじつけがすぎねえか?じゃあなんで小林茜は斎藤廉を呪ってんだってなるだろ」
「だから、見つけてもらったことによって"怖い"って感情が生まれるだろ。それを次は吸ってんじゃねえの?」
「都合がよすぎない?そんなポンポン事がうまくいくとは思えないわ」
「仮定の話じゃん。もしかしたらってこと。私だって100%そんな風に思ってない」
ペンでぐりぐりと図式を描きながら説明するが、自分で言ってて私何言ってんだってなってるから二人は余計にだろう。
ただの仮定だから、私の言うことが全てじゃないけど。
そういう風にも考えられないかということを知ってほしかった。