第13章 狂愛
――夏油side――
「呪いの掛け軸?」
「千葉県のとある高校で見つかったらしいわよ」
お昼ご飯を食べながら釘崎がそう言ってきた。
伏黒は興味があるのかないのかわからない顔をしながら話を聞いてる。
「どうせくだらない七不思議的な感じだろ」
「それがそうじゃないらしくて。被害者が出てるみたいよ」
「まじで?」
「被害と言っても、かすり傷切り傷程度らしいけど」
「そんなん被害とか言わねえだろ。なんだったら私らなんて毎日パンダたちにぶん投げられてかすり傷どころの話しじゃねえわ」
青あざが治ったらと思ったら新しく青あざができているし、生傷も絶えないし。
あまり深く釘崎の話しは聞かなかった。
七不思議の一種だと本気で思っていたから。
サンドイッチを頬張り、お茶で喉を潤していたら何かを思い出したような口ぶりで伏黒が口を開く。
「その話、どこかで聞いたことあんなって思ったらこの後の任務先じゃねえか」
「……マジかよ」
「伏黒一人の任務?」
「ああ。様子を見るだけだがな」
「夏油、暇だから私達も一緒に行きましょう」
「やだよ。行かないよ」
「なんで?怖いの?」
「……怖くはないけどさぁ。でもさ、呪いの掛軸ってだけで気持ち悪い」
「怖いんじゃん」
うっ、と息を詰まらせる。
なんか掛軸って怖い。
あんまり得意ではない。