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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第13章 狂愛







「ずっと不思議に思ってたことあんだけど、言っていいか?」
「どうぞ」
「オマエ、一応呪術高専に通ってんのになんで幽霊怖いんだ?」
「言われてみれば確かに」

ぢゅーっとパックのジュースを飲む伏黒のジト目が私を見つめてくる。
そんなん私が聞きたいわ。

「呪霊は見慣れてっから平気だけど、幽霊は無理。だってあいつらに術式効かねえんだぞ?」
「効くかもしれないじゃない」
「いや、絶対効かない。だって死んだ人間だぞ?呪いは違うじゃん。わかる?」
「うーん、なんとなく。でも怖がる理由は分からない」

どんなに説明しても2人は理解してくれなかったから諦めた。

「じゃあ、夏油もこの後伏黒と一緒に任務に行くわよ」
「なんでだよ‼」

勝手に決められた決定事項。
私は机に突っ伏す。
というか、いきなり人数が増えたら大変だろうが。
なんて思っていたのに、あっさりと解決した。

「……怖かったら帰るからな、私」
「わかったから行くぞ」

散々駄々をこねる私に2人も嫌気が差しているのか、扱いが雑になっているのが分かる。
重たい腰を上げ、私はゆっくりとした足取りで伊地知さんの車に乗り込んだ。

「伊地知さん、制限速度オーバーしてる。もっと速度落としてください」
「え、いや……オーバーしてませんが……」
「私の中でオーバーしてるんです」
「えぇ……」
「おい、伊地知さんを困らせんじゃないわよ」
「なんかオマエ、五条先生に若干似てきたな」
「さいっあく。次それ言ったらオマエの髪の毛むしり取ってカツラ作ってやらぁ」
「……こわ」

気分は落ちる一方だ。
私は窓を流れる景色を見つめ、深く長く重たいため息を5回くらい吐いた。




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