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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第12章 【じゅじゅさんぽ】Vol.3







いつものおちゃらけた雰囲気をだす五条悟。
それがなんだか安心した。
よかった、こいつも傷ついてくれて。
お兄ちゃんが笑って死んでくれて。
それだけでも知れてよかった。

「お兄ちゃん、笑って死んだんだね」
「うん」
「よかった」
「え?」
「心の底から笑えない世界で、笑えて死ねたんでしょ」
「………そうだね」
「よかった、本当に……っ」

そう、言葉にした途端。
涙が溢れた。
なんで、溢れたんだろう。

よかったって思ったのは嘘じゃない。
嘘じゃないからこそ、悔しかった。
お兄ちゃんの笑える世界で、お兄ちゃんに生きていてほしいと思ってしまった。
間違っているけど。
間違っているとわかっているけど。

みんなが笑って生きていける世界があればいいのに。
そう思わずにはいられない。

涙を零し続ける私の肩を、五条悟は珍しく優しく抱きしめた。
濡れるぞ、と言っても五条悟は何も言わないで抱きしめるから、その温もりが嬉しくて悔しくて、私は五条悟の肩を涙でべちょべちょに濡らした。

その後、私は寮に戻ることなく、五条悟のセーフハウスで五条悟に抱きしめられたまま眠りについた。





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