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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第12章 じゅじゅさんぽ【Vol.3】







「もし、傑があの時の名前をだして一言でも"頼む"って言ってくれれば、僕はすぐにでも君の元へ行っただろう。そして僕は包み隠さず全てを話しただろうね」
「………」
「そうしたらお前は、これ以上ないくらい精神的に壊れたかもしれない。多分、傑はそう考えたんじゃないかな。憶測だけど」
「………私が自殺とかしないためにお兄ちゃんは何も言わなかったと?」
「言ったろう。これは僕の憶測。本当の真意なんて知らないよ。でも、こうしてお前は僕に会いに来た」
「殺しにきたの間違い」
「同じことだよ」

お兄ちゃんが私の事を言わなかった理由なんて、その答えなんて、お兄ちゃんにしかわからない。
だけど、少し悲しかった。
なんで死ぬ間際まで私の事を言わなかったんだろう。
というか、大量虐殺した10年前のあの日でさえ、私のことは話していないってことになる。
なんでだろう。
隠したかったのかな。

ああ、そうか。
私の名前を言ってしまえば、私はすぐに死刑になる可能性だってあったんだ。
死なせないために、死刑にならないために。
私は、護られていたんだ。
憶測にすぎないけど。

お兄ちゃんのそういうわかりづらいところは少し苦手だ。
なんでも自分で決めちゃうところ、良くないと思うよ。

「で、さっきの質問だけど」
「なんで、お兄ちゃんを呪おうと思わなかったのか、でしょ」
「そう。それだけど、正直直前まではそう思ってたよ」

意外な返答に私は五条悟横顔を見た。
黒い布のせいで目は見えなかったけど、五条悟は上を見上げていて、すげえ儚く見えてしまった。



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