第11章 試行
の首筋に咲く真っ赤な跡。
これってどう見たってキスマークだよね。
え、なに。
付けられたの?
キスマークを?
あの男に?
は?
自分の中に生まれる蜷局を巻いたどす黒い感情は、ふつふつと湧き上がり苛立ちを隠せない。
もしかしてキスマーク以外にも何かされたんじゃないのか。
この身体に触れたんじゃないのか。
そう思えば思うほどにその嫉妬の炎は勢いを増していく。
になにがあったか聞いてやろう。
そして、僕が上書きしてやろう。
それまでは我慢してやる。
……………。
なんで僕嫉妬してるんだろう。
が僕以外の男に触れられたというだけで、なんでこんなに腸が煮えくり返りそうになっているんだ。
それってもしかしてまさかとは思うけどそう言う事だったりするのだろうか。
迎えが来るまでの時間、腕の中で寝るを見つめながら悶々と考えて考えて考えた結果。
「僕、が好きみたい」
高専に戻り医務室での容体を見ていた硝子に、僕は僕の中の結論を話した。
硝子はクズを見るような目で僕を見ている。
「……なんでそう思ったんだ」
硝子はベッドで寝るに毛布を掛けてやりながらそう聞いてきた。
だから僕が抱いている感情を言えば、再び硝子はクズを見るような目で僕を見てきた。