第11章 試行
「死ぬ前に、私といい事しましょうか」
男の息が耳に触れる。
気持ち悪さが全身に走ったかと思うと、男は私の耳に舌をねじ込んできた。
「うあっ……」
「感度がいいんですね……」
「やめ、ろ……」
ぴちゃぴちゃと濡れる音がダイレクトに脳を刺激してくる。
きもち、わるい……。
生理的な涙が溢れだし、頬を伝った。
呪詛師は片腕で私の両腕を掴み、開いたもう片方で、ゆっくりと太ももをなぞり、上へ上へと撫でる。
その度に反応してしまう自分の身体に、羞恥と憎悪が芽生える。
「ああ、いい匂いだ」
「っ、く……」
顔を首に埋め息を吸い込んだ後、分厚い舌が私の首筋を舐めた。
ゾワリと鳥肌が立ち、身をよじるも男と女とでは力の差は歴然。
くそ、こんなことならもっと筋肉つけておくべきだった。
「ぁ……」
「ほぅ。意外と胸、あるんですね」
下腹部を撫でていた手が、私の胸へと伸びそして優しく揉みしだく。
服の下に手をいれ、下着の中へと侵入し、胸の突起をつまんだ。
急な刺激に私は声を抑える事ができず、足の力も抜け地面に倒れた。
そのまま私を押し倒す男の瞳は獣のようにぎらついていて。
恐怖が、私の中で生まれた。