第11章 試行
――夏油side――
「、任務が入ったよ」
京都校の奴等と挨拶という名の喧嘩をした2日後。
教室で伏黒と釘崎とでジ〇リ作品で何が一番好きかという、どうでもいい話に花を咲かせていた時。
教室の扉が開き、開口一番に五条悟がそう言ってきた。
「え、また?」
「そう。ご指名だよ」
男は指をパチンと鳴らした。
つい先月任務に行ったばかりというのに、また任務かよ。
別に任務自体はいいけれど、一人で任務って言うのがなぁ。
いつもなら釘崎や伏黒と一緒だから暇な時間を潰すことができるけど、一人だとそうもいかない。
「わかった。どこ?」
「静岡県のとある教会。詳しい内容は移動中に読んで」
「急かすじゃん」
またヤバい案件なのだろうか。
そんな案件をなぜ私指名にするのか。
術式の相性がいいとかなんかな。
とりあえず急いだことに越したことはないと思うし、前回で学んだのは、ヤバいと判断したら意地にならずに上級術師に任せるということ。
「じゃあ行ってくる」
「気をつけなさいよ」
「うん」
「死ぬなよ」
「死なねえよ」
「帰ってきたらカラオケ行くわよ」
「じゃあ早めに片付けてくるわ」
二人の見送りの言葉を聞き入れて、私は静岡県へと向かった。