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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第10章 人形








「時は満ちました。ずっと見ていた夢物語を終わらせてください」

静かに告げる彼女の"願い"を私は叶えよう。
鍵を取り出し、彼女の額へと近づける。

「美優!!!」
「何してんの⁉」

その時、タイミング悪く彼女の友人たちが戻ってきた。
彼女たちの表情は険しく、私を睨んでいる。
今にも飛び掛かって殴りそうな勢い。
だが、西崎美優がそれを止めた。

「待って。この人は何もしてない」
「してないわけないじゃん!!昨日あんなに怯えてたのに……」
「美優から離れてよ‼」

友人のために、彼女たちは怒っている。
ああ、いい友達を持てたんだね。
離れたくないだろうに。

「違うの。聞いて。私、全部思い出したの」
「え……?」
「思いだしたって……記憶が、戻ったの……?」
「うん」

こくりと頷く西崎美優。

「私、幸せだった。今もずっと」
「……何その言い方。やめてよ」
「私、二人を騙してた。ううん、二人だけじゃない。お父さんもお母さんもクラスの人たちもみんな、騙してた」
「どういうこと、意味わかんない……」

今から彼女たちに真実を話すことは酷だろう。
だが知らなければいけないことだ。
彼女を思うならば尚更。



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