第2章 恥辱
――五条悟side――
を監視下に置いて一日が経った。
彼女は朝から僕に勝負を挑み、そして見事に惨敗。
地面に膝をついて息を切らす馨は「絶対明日殺してやる」と吠える。
その実力で明日にでも僕を殺せるなら、そこらへんの術師や呪詛師、上の連中は苦労していないだろうね。
この後任務があった僕は、伊地知の元へと向かう。
遠くで悔しそうに叫ぶの声をBGMにして。
それにしてもの術式はだいぶおもしろいな。
呪力をこめた鍵を対象物に打ち込んでいるんだろうけど、その他に何かがある。
その何かがはっきりしない。
僕の六眼でもわからないとなると、覚醒する前なのかなんなのか。
おもしろい術式だからちゃんとわかりたいし、何より強い術師に育ててあげたい。
そう思いながら僕は今日の任務を秒で終わらせた。
次の日もその次の日もそのまた次の日も。
は飽きることなく僕に勝負を挑んでは、黒星を重ね続けた。
僕は僕で彼女の術式を見た。
そして気付いた。
は鍵に呪力だけでなく呪力の圧も一緒に込めていると言うことに。
だけど当の本人がそのことに気づいていないから、自分の術式をものにできていない。
そのことに気づいたのだから教えてあげればいいのに、僕も性格が悪い。
が自分で気づくまでは黙ってやろうと思った。
そのほうが何かとおもしろそうだし。