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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第2章 恥辱






ベッドに横になった瞬間、具合の悪さは一気に悪化し、ハッキリ言えば吐いた。
朝から何も食べていないからか、吐き出されるのは胃液のみ。
喉が焼けるほどに熱いし痛い。
そんな私を甲斐甲斐しく世話をする五条悟の姿が、無性にムカついた。

「何か、食べたいのある?」
「…………」
「とりあえず、ここにゼリーとプリン置いておくから。あとポカリも。僕これから任務行くけど、戻ってきたら様子見に来るよ」
「来なくていい……」
「そういうわけにもいかないでしょ」

具合が悪いと言うのに、悪態ばかりつく私に五条悟は盛大にため息を吐いた。

「早く治ってよ。で、早く僕を殺して見せてよ。君がそんなんだと僕の調子が狂う」
「意味、わかんない……」
「大人しく寝てな」

優しい、温かい、その手が、私の頭に触れた。
壊れ物を扱うようなそんな手つきに、弱った心が決壊しそうで、布団を頭からかぶった。
五条悟の笑った声が聞こえたけど、聞こえないふりをした。
もう、悪態をつける体力は残っていなかった。

嘘。
別に悪態をつこうと思えばつけれた。
でも言えなかった。
触れたあの手に。
お兄ちゃんと同じ温もりを感じたなんて、口が裂けても言えない。



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