第2章 恥辱
「もしかして、薬飲めないの?」
五条悟の言葉にびくりと肩が動いたが、それは気のせいだ。
「……飲めるし。飲めないとかないし。てか私の名前を呼ぶんじゃねえ。何回言わせんだ」
盛大に咳をする私を呆れた表情で見つめる家入硝子と五条悟。
薬なんて、簡単に飲める。
ただ、飲む時にちょっと時間が必要なだけ。
ぼうっとする頭に鞭を打ち、私はずっと文句を垂れ続ける。
「文句ばっか言うんじゃない夏油。いいか、君は今病人だ。病人は病人らしく大人しくしていなさい」
「だから、病人じゃ……」
「はいはい。とりあえず具合が悪い事には変わりないんだから、硝子のいうこと聞こうね」
そう言うと、五条悟はまたもや私を無理やり抱きかかえる。
家入硝子から薬を受け取ると、私の部屋へと戻った。
もう暴れる体力がない私は大人しく五条悟に連れられ歩く。
糞が。
こんな弱っている姿を敵に晒すとは。
何たる屈辱。