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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第9章 領域







「ごめんごめん、待った?」

まるで待ち合わせ場所へと遅れてきた彼氏が言うようなセリフを吐く五条悟。
待ち合わせの相手は一つ目の富士山みたいな頭をした呪霊。
なに、今まで任務かなんかでこいつと戦っていたのか?

「!!ソイツらは……」

富士山頭は私たちを見て驚いている。
いや、驚くだろうよ。
いきなり餓鬼二人がいるんだから。

「見学の虎杖悠仁君と夏油ちゃんです」
「富士山!!頭、富士山!!」
「うるさい!!ちょっと静かにしろよ‼」
「はーい、ここは修学旅行場所じゃないからね」

なんとも緊張感のない私たち。
目の前には呪霊がいると言うのに。
というか待て。
今こいつ普通に会話してたよな。
特級……⁉

「先生、俺10秒くらい前まで高専にいたよね?どーなってんの?」
「んー、トんだの」

私だけか。
私だけが今この状況に焦りを感じているのは。
なんでこの二人はこんなに落ち着いてるんだよ。
特級だぞ。
しかもこの呪力量、少年院で会ったアイツとは桁違いだろうが。
そんな私の頭を五条悟は優しく撫でた。
怖がる私を安心させるために。

「怖い?」
「……怖くない」
「ならよかった」

私はいつもそうだ。
怖がってばかりいる。
だから弱いままなのだ。
本当は怖い。
だけど嘘をついた。
そんな私の嘘に気づきながらも、五条悟は優しく微笑んだ。





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