第8章 修行
飯を食い終わった後は食後のコーヒーだのお茶だのジュースを飲んでお菓子を食っている。
みんなで食べた昼飯は確かにおいしかった、というより楽しかった。
一人で食べるよりも断然。
勢いよくなくなるパエリアを見ながら、作ってよかったなって思ったし。
「どうだった、。皆で食う飯は」
「……別に」
「素直じゃねえな」
お茶を飲みながら禪院真希はクスクス笑っている。
「ただ、楽しかった。いつも一人で食べてたから、こんなに楽しいだなんて知らなかった」
私の言葉に耳を傾ける。
お兄ちゃんが犯罪者になってから私はいつも一人だった。
誰かと遊んだりしたことはなかったし、ご飯がない日もあった。
一人で暮らすようになってからも、ご飯は常に一人でそれが普通だと思っていた。
だから、こんなに楽しいだなんて知らなかったし、あったかいものだって知らなかった。
「なら、よかった」
「しゃけ!」
「またみんなで飯食おうな」
「夏油、私あれ食べたい、カルパッチョ」
「なんで私が作る前提なんだよ」
「この中だと夏油が一番料理できるだろ」
「料理って言えば虎杖も料理できますよ」
伏黒の発言に「あ~、っぽい」と揃う声にみんなで笑った。