第8章 修行
受け止めてくれたパンダに礼を言いながらジャージに付いた土などを払った。
少し休憩した後、また訓練をして、泥だらけになったころにお昼の時間となる。
というのも、私の腹の虫が盛大な音を立てて鳴いたのだ。
めっちゃでっかい音がして、皆の視線を集めた。
「……人間だからな、腹は減るわ」
「よし、飯食いに行くぞ」
「その前に軽くシャワー浴びたいかも、私」
釘崎の言葉に全員頷いた。
30分後に食堂に集合という禪院真希。
てかなんでみんなで飯食う流れになってんだ。
「私は部屋で食う」
「よし、30分後にの部屋に集合な」
「なんでそうなんだよ‼」
パンダの胸倉を掴んだ。
こんな大人数入れ……なくはないけど絶対嫌だわ。
「あのな、お前は知らないかもしれないけど。みんなで食う飯はうまい」
「は?同じだろうが」
「わかってねえな。これだからお前は弱いんだよ」
「関係ねえだろ、それ」
「みんなお前の手作り料理食べたいんだよ、察しろ」
禪院真希がちらりと横目で皆を見た。
目をキラキラさせて勢いよく頷く連中。
「私、夏油の手料理食べたーい」
「しゃけ~」
「俺も~」
「俺は別に……」
「恵だけぼっち飯な」
「……食べたい、です」
「だってさ」
「…………………………なんでもいいんだな」
すっごい間のあと、そう言うと連中は大喜びした。
風呂入って飯となると絶対30分では間に合わないから、1時間後に来いと言った。
なんか流されやすいよなぁ、私って。
それを嫌じゃないって思ってるあたり、絆されてんだろうなぁ。