第8章 修行
それでも頑なに一人で入ると言い張る。
強情だなぁ、もう。
口調まで変わるほど怖いんだったら大人しく一緒に入ればいいのに。
変なことしないって保証はないけど。
幽霊はエロいところには来ないって言えばどんな顔するんだろう。
顔を真っ赤にさせるだろうか、それともいつもみたいに怒って殴りかかってくるだろうか。
どれでもいいや。
どんな反応でもおもしろいから。
の言葉を僕は無視して彼女を抱き上げ風呂場へ直行。
我儘娘には強行手段が一番。
衣服を身につけたままの状態でシャワーを頭から浴びせる。
そうすれば嫌でも服を脱ぐでしょ。
「あーあ。濡れちゃったね、」
「てめえが濡らしたんだろうが」
「洗濯するから脱いで」
「………性格悪すぎだろ、マジで。いつか誰かに殺されるぞ」
「あっはは。が殺してくれるんでしょ?何言ってんの」
誰かに殺されるって?
この僕が?
そんな事まずありえない。
だって僕は最強だよ。
それに、僕を殺すのは馨、君だろ。
君以外の人間に殺されるくらいなら、僕は自ら命を絶つよ。
シャワーを止めて、彼女のおでこに張り付いている前髪をかき上げる。
傑と同じ目の色を見つめ、そっと顔を近づければふいと反らされた。
それがムカついて、僕は両手での頬を包み自分の方を向かせる。
そして柔らかいその唇に、深く熱いキスを落とした。