第2章 恥辱
――夏油side――
起きたら、知らない部屋にいた。
さっきまでいたお札だらけの部屋ではなく、もっとちゃんとした部屋。
ベッドと勉強机と箪笥しかないシンプルな部屋。
ベッドを降りて、部屋の戸を開けると小さなキッチンがあった。
トイレやお風呂もある。
マンションの一室のような造りに、本当にここがどこなのかわからなくなり戸惑いを隠せない。
その時、急に部屋の扉が開いた。
「あ、起きたんだ……って、危なっ」
目の前に現れた五条悟に条件反射で足蹴りをしたが、不意打ちでも避けられんのかよ。
避けられたうえに蹴り上げた足を掴まれそのまま俵抱きされた。
「暴れないでよ、こんな狭い所で」
「やめろ、離せ!!」
じたばたと暴れるも逃げられるわけもなく、五条悟は私をベッドの上に投げ捨てた。
「ここ高専の寮ね。今日からここに住むこと」
「は……?」
「荷物は明日には届くから」
「ちょっとまて……」
「監視下に置くには目の届く範囲がちょうどいいでしょ」
「何勝手に決めてんだよ」
「とりあえず君は僕の庇護下だからさ。言う事聞いてね」
何もかもが知らないうちに進められていた。
ていうか一切私の話を聞こうとしないな。
言葉を失くす私に、五条悟はニヤニヤと笑っている。
全部この男の思惑通りだとでもいうように。
どこまで私をバカにすれば気がすむんだ、こいつは。