第8章 修行
五条悟が私にDVDを借りて来るように言ったのは、どんな映画を観ても、感情が入り乱れそれを無駄遣いしないようにするためか。
起きている間ぶっ通しとか正気かよ。
頭イカレてんな。
「まずはその呪骸を起こさず映画を一本、無傷で観通すこと」
どんな感情下でも一定の呪力出力を保つ訓練。
多すぎても少なすぎてもダメ。
本当に、えげつねえ……。
今は虎杖でも出せる程度の微弱な呪力に設定してあるらしい。
だけど徐々に大きな出力を要求してくると言うのだから、気は抜けない。
「で、何から観る?おっ。いいの借りてきたね。これ僕のオススメ。ヒロインがムカつくんだけど、最後派手に死ぬの」
「おい、ネタバレすんなや」
「俺、最初はアクション"ッ!!」
早速殴られてやがる。
本当に下手くそだな。
呪骸は床に投げつけられた。
私はそれを拾って虎杖に渡す。
「おい、ツカモトを大事に扱え。お前の修行のお供だぞ」
「ツカ、モト……?」
「そいつの名前に決まってんだろ」
「ふ、くくっ……なんで、ツカモト?」
「ツカモトって顔してんだろうが。何笑ってんだてめえ」
五条悟の足を蹴ったけど無限を張られて意味なかった。
肩を震わせる男二人。
なにがそんなにおかしい。
腹立つな。