第8章 修行
――夏油side――
あの後、私は五条悟と家入硝子の元を離れ伏黒達と合流するために高専を歩いていた。
適当に歩き回る事数分。
ちらりと窓の外を見たら、正面玄関の石段に座っているのを見つけた。
ついでに2年の奴らもいる。
私は足早に彼らの所へ向かった。
「あ、夏油。遅かったじゃない」
足音に気が付いた釘崎が手招きをしてきた。
その声に全員の顔がこちらへ向いた。
「久しぶりだな、」
にやりと口元を歪める禪院真希は、私を抱きしめる。
力づくで抜け出せないことはとうの昔にわかっているから、こいつが勝手に離れるまでこの状態だ。
「なんか話してたのか?」
「ああ。お前にも言っておかないとな」
パンダが言うには、今度行われる京都姉妹校交流会に参加してほしいとのことだった。
京都にある高専との交流会なことは字面でわかるけど。
「なんで?それ2、3年メインだろ」
「恵たちにも言ったけど、今3年は停学中、憂太は海外。人数が足んねえんだよ」
「あー……」
「どうだ、やるか?やるだろ?やるしかねえよな」
「んだよ、その三段活用……。やるけどさ」
「っしゃ!!決まりだな」
すんげえ嬉しそう。
そんなに交流会が楽しみなのか、禪院真希は。
交流会の詳しい事は知らない私は、軽く禪院真希やパンダから説明を受けた。