第7章 じゅじゅさんぽ【Vol.2】
そんな俺らの前に一人の人物が姿を現した。
「なんだ。いつにも増して辛気臭いな、恵」
髪の毛をポニーテールにし眼鏡をかけた禪院真希先輩。
「お通夜かよ」
冗談交じりに言ったその言葉。
悪気は一切ないとはいえ、今の俺らにとっては笑えない冗談だ。
そんな先輩の数メートル後方から彼女を呼ぶ声がする。
木の陰に身を隠している狗巻先輩とパンダ先輩は、焦ったような口調で禪院先輩に"情報"を与えた。
「まじで死んでるんですよ。昨日!!一年坊が一人!!」
「おかか!!」
初めて聞いた話に今度こそ先輩は汗を全身から吹きだした。
縁起でもないどころの話ではなく不謹慎そのもの。
「これじゃ私が血も涙もねぇ鬼みてぇだろ!!」
「実際そんな感じだぞ⁉」
「ツナマヨ」
ギャーギャー騒いでいる間に俺は釘崎に彼等を紹介する。
パンダ先輩をパンダ先輩としか紹介しないことに釘崎は不満を覚えたみたいだが、それ以上どう説明すればいいのかわからない俺の気持ちを汲み取ったのか、釘崎は文句を言う事はなかった。