第5章 特級
「おわっ!!フルチンじゃん!!」
起きた第一声がそれってどうなんだ。
って思ったけど、それ以上に生きてることに、虎杖が生き返った事に。
ただ夢中で。
五条悟の腕を抜けだし、虎杖の体に飛びついた。
首に腕を回して、虎杖の体温を、生きている証拠を確かめたくて。
「げ、夏油⁉」
「虎杖、虎杖ぃ!!」
「え、な、ちょ……恥ずかしいんだけど……」
「ごめん……虎杖、ごめん……」
ただ、謝る事しかできなくて。
それでも虎杖は戸惑ったように私の背中に腕を回してくれた。
置いて行かないでくれた。
ちゃんと戻ってきてくれた。
それが嬉しくて、また涙が溢れて。
「悠仁!おかえり!!」
「オッス!ただいま!!」
五条悟も満面の笑みで、虎杖とハイタッチをした。
泣き続ける私を宥め、五条悟と家入硝子は私を連れて部屋を出た。
虎杖は死亡したと報告したために、今から修正しなければいけないと家入硝子は言ったが、五条は「しなくていい」と言った。
「なんで?」
「また狙われるかもしれないだろ。その前に悠仁には最低限の力をつける時間が欲しい。記録上、悠仁は死んだままにしてくれ」
「んー?じゃあ虎杖がっつり匿う感じ?」
「いや、交流会あでには復学させる」
家入硝子と同じで私も虎杖を匿う算段かと思ったが、交流会前には復学させると言う五条悟。
何が目的化がわからなくて理由を聞くと、それはとても簡単なものだった。