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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第5章 特級







「私さぁ、お前のこと人殺しって、言えないや……」
「……」
「私が殺したんだ、虎杖を。私がさ、ちゃんとさ、強かったらこんな結果にならなかっただろうし。私さ、逃げたんだよ。怖くて……。ははっ、逃げたんだよ、虎杖を見殺しにしたの。私がさぁ……」
「もういい。もう喋んなくていいから」
「人殺しだよ……。禪院真希の言う通りだ。蛙の子は蛙だったよ……。殺人者の身内は殺人者でしかないよ……。なんで逃げたんだろ、なんで弱いんだろ、なんで……。虎杖はさ、すげーいいやつだから死んじゃいけないのに。私が死ねばよかったのに……」
「、もう黙って」

五条悟が私と虎杖を引き離す。
それがもうお別れだと言っているように見えて。
泣きじゃくった。
嫌だと喚いた。
兄を失ったあの日のように。
置いていかれるのはもう嫌だ。
置いて行かないでほしい。
大切な人を、これ以上失いたくなんてないのに。

五条悟は黙って優しく力強く、私の体を抱きしめる。
男の腕の中で、私はただ涙を零すことしかできなかった。





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