第4章 対面
「さっきからお前納豆巻とかツナとかばっかだな」
「あー、うん。生魚だめなんだよ、私」
「「「え?」」」
「え、なに?」
私の発言に伏黒だけじゃなく、さっきまでショックを受けていた二人も反応した。
6つの目が私を見てくる。
こっわ。なに。
「なんでそれを早く言わないのよ‼」
「そうだよ‼早く言ってくれたら別のとこにしたのに!!」
「いやだって。みんな行きたそうにしてたから。食えないって言ったら空気悪くすんだろ」
別に生魚が食えないだけで、他のかっぱ巻きとかは普通に食えるし。
気にすることなんて何もないのに、なぜか虎杖と釘崎は泣いていた。
「夏油、おっまえいい奴だなぁ」
「でも今度から言いなさいよね」
「え、うん。なんで泣いてんの?」
「ふっふっふっ。みんなの優しさに感動してんだよ」
「意味わからん。普通だろ、こんなの」
テーブルに置かれた磯の味噌汁を飲みながら、ニコニコと笑う五条悟にそう言った。
私だけならいいけど、皆が行きたいというんだから私が合わせるのは普通だと思っていたけど。
それを優しさだなんて。
五条悟を自分の為だけに殺そうとしている女に、優しいだなんて言葉は間違っている。
そんなことを考えながら、私はただ彼等との食事を楽しんだ。