第4章 対面
今回、この廃ビルの呪いを祓うのは虎杖と釘崎の二人。
五条悟は二人はどこまでできるのか実力をみたいようで、いわば実地試験みたいなものだと言う。
私と伏黒は留守番なわけだが、来る意味あったか、これ。
すごい帰りたい。
「虎杖は呪術使えないんじゃないのか?」
「悠仁は宿儺の指取り込んだから、半分呪いみたいなものだよ。体には呪力が流れてるし」
「ふーん」
「でも、ま。呪力のコントロールは一朝一夕じゃいかないから、これを使いな」
そう言って五条悟は虎杖に呪具を渡した。
刀身に二つ穴があいており、包帯が巻かれている。
これって確か禪院真希が持っていた呪具「屠坐魔」じゃないか。
拝借してきたのか。
呪力の籠った武器だからこれだったら呪いにも有効だろう。
「それから。宿儺は出しちゃ駄目だよ。アレを使えばその辺の呪いなんて瞬殺だけど、近くの人間も巻き込まれる」
その言葉に虎杖は頷いた。
呪いの王とまで言われているんだ。
そう言うのは当たり前だ。
二人を見送り、私たち3人は外で待機。
伏黒はさっきからずっとそわそわしている。
「便所か。行って来いよ」
「違う」
「じゃあなんだよ」
「……やっぱり俺も行った方が」
「馬鹿かよ。お前病み上りじゃん。無理してぶっ倒れたらめんどくせえわ」
何を心配しているのか知らないけど、大丈夫でしょ、あの二人なら。
「でも虎杖は要監視だ」
「そうだね。でも、今回試されているのは野薔薇の方だよ」
虎杖ではなく釘崎が試されている?
どういうことだ。
知識のない虎杖に場数を踏ませて慣れさせるためだと思ったけど。
違うのか。