第4章 対面
ぎゃいぎゃい騒ぐ二人に五条悟は手を何度か叩いて二人の興奮を鎮める。
「それでは行き先を発表します」
すっと片膝をついて従うお上りさんたち。
ノリが良すぎるのとテンポのよさに私と伏黒はさっきから置いてけぼりを食らっている。
「六本木」
キラン、と何かが光った気がする。
二人もまたさっきよりもはるかに目が煌めいている。
そんな彼らの期待を裏切るようにやってきた場所は廃ビル。
嫌な空気を纏うそこは確かに呪いがいる。
華やかな場所でも六本木でもない場所に虎杖と釘崎は膝をついて崩れた。
「地方民を弄びやがって!!」
「でかい霊園があってさ。廃ビルとのダブルパンチで呪いが発生したわけ」
「やっぱ墓とかって出やすいの?」
釘崎と違って虎杖はもう心を切り替えたようだ。
呪いの発生源となるのは、墓地や場所そのものではなく、墓地=怖いと言う人間の心。
そうか。
虎杖はつい最近までは非術師だったから、そう言うことも知らないのか。
「ちょっと待って。コイツそんなことも知らないの?」
「実は……」
事情をなにも知らない釘崎に虎杖という人間が一体何をしたのか説明した。
すっごいドン引きしてた。
まぁ、そうなるよな。
特級呪物を飲み込んだら、衛生観念疑うよな。
「でもさ、食わず嫌いにでたら絶対優勝するって私はずっと思ってる」
「夏油は何を言ってんのよ」
げんなりした私をじろっとみる釘崎。
昨日からずっとこれを言い続けてるけど、マジでそう思う。