第4章 対面
「……好きになったんじゃねえの?」
高専探検から戻ってきた俺は伏黒の部屋に乗り込み、そのことを話したら返ってきた返事はこれだ。
「好き……?そうなのか?」
「いや、知らねえけど」
ベッドの上で本を読む伏黒は、面倒な顔をしているけどこうして相談には乗ってくれる。
昨日今日会ったばかりなのに。
「好き、なのかなぁ……やっぱり」
「いや、だから知らねえって」
「俺さ、夏油のこと全然タイプじゃないんだよ」
俺のタイプはケツとタッパのデカイ女。
ジェニファー・ローレンスみたいな人がタイプ。
夏油は全然似ても似つかない。
身長は低いし、ケツもそこまで……。
胸は……多分あるほう?
って、俺何考えてんの!!
ぶんぶんと首を振って邪念を取り消す。
そんな俺をみて何を思ったのか、伏黒は読んでいた本をパタンと閉じた。
「好きなタイプと好きになる人間は違うだろ」
「そうなの?」
「知らないけど」
「オマエ、さっきから知らないしか言ってねえじゃん」
「俺の考えってだけだ。同じ奴だっているだろうし、虎杖の場合は一致しなかったってことだろ」
「……いやでも、こんなに早く人を好きになるってあり?」
「ありかなしかだけで言えば、ありなんじゃねえの?」
「これが世間一般に言う一目惚れってやつか」
「……好きって認めてんじゃん」
「あ、本当だ」
答え出たわ。
俺、夏油に一目惚れしたんだ。
見た目じゃなくて人間性に。