第4章 対面
「えっと……なんか、ごめん」
謝る事しかできないけど、なんで謝っているのか自分でも理解できない。
が、一つわかる事は夏油は俺の為に怒っているということ。
それだけでも夏油って奴がどんな人間なのかなんとなくわかる。
「いや、虎杖のせいじゃないから」
「でもさ……」
「もういいから。案内続けるよ」
「お、おう」
喧嘩の原因は俺だけど、決してそんなことは口にしない。
口の悪さとは裏腹に、夏油はいい奴だ。
すげえ優しい。
案内を続けるために歩く彼女の後ろを着いて歩く。
歩きながら引っかかるのは夏油の「私と同じ」という言葉。
どういう意味だろう。
聞いて見てもいいのだろうか。
と思っている時には既に聞いていた。
ピクリと肩を小さく揺らす。
聞いちゃまずい事聞いたかな。
夏油は軽く息を吐いて俺に向き直る。
そして自身の事を話してくれた。
「私のお兄ちゃん、犯罪者なんだよ。無実の人間をたくさん殺した。だからみんな怖がってる。私もお兄ちゃんみたいに大量虐殺するんじゃないかって。蛙の子は蛙って言うだろ。それと同じ。だから危険分子は排除するために私も死刑宣告を受けた。五条悟が取り消してくれたけど」