第4章 対面
あの後、俺は夏油に頼んで高専を案内してもらうことになった。
五条先生も一緒に。
淡々と進める夏油はどうやら早く終わらせたいみたいだったけど、俺はもう少し探検をしたい気持ちの方が勝っている。
そんなことを思っていたら、夏油が俺に背を向けたまま口を開いた。
「よく上の連中が許したね」
「?なにが?」
「五条悟に聞いてる。宿儺の指を食ったってんなら、虎杖は即死刑だろ。なのに、ここにいるってことは何かしたのか」
言っている意味がわからなくて首を傾げると、どうやら俺ではなく五条先生に話しかけていたらしい。
「何も。ただ、提言しただけ」
その言葉に、夏油がゆっくりと振り向く。
五条先生を睨む眼光の鋭さに俺は少し縮こまってしまった。
普通に怖い。
だけど先生は表情一つ変えずに、ただ笑っている。
「宿儺の指を全部取り込ませてから殺せばいい、そう言ったんだよ。そしたら了承してくれた。それだけだよ」
「はっ。いかにもお前がやりそうな手口だな。まぁでも、私の時もそうだったし今さらだわ。だけど虎杖は殺させねえよ」
「へえ。お前がそんなこと言うなんて珍しいじゃん。どうしたの。絆された?それとも惚れた?」
「なわけねえだろ。情が移っただけだ」
えっと……、これって、喧嘩?
俺のために争わないでって言うべき?
それ言ったら確実に殺される?
ぐるぐるする脳を回転させるけど、ぐるぐるするだけでなんの解決策も見つからない。