第4章 対面
――虎杖悠仁side――
昨日今日で怒涛のような一日が過ぎた。
呪いとか呪物とか宿儺の器とかまだよくは理解していないけど、なんやかんやあって俺は東京にやってきた。
学長との面談も色々あったけど、なんとか入学の合格を貰い
男子寮へと案内される。
俺の部屋は伏黒の隣らしく、少しだけ伏黒の部屋を覗いたらすごい綺麗に整理整頓されていた。
その時、誰かがくる気配がしてそっちを向けば、欠伸をしながらゆっくりとした足取りで女子生徒がこちらへと歩いてくる。
女子は眠たそうな顔で五条先生を見ると、先生は極めて明るい声で、俺の事を紹介した。
「昨日、特級呪物を飲み込んだ虎杖悠仁君です!!はい拍手~」
「なにが?全然事態を把握してないンだけど」
「先生、省きすぎです」
テンポのいい会話。
いつもこんな風に話をしているんだと見て取れた。
女子は俺が特級呪物を飲み込んだことを知ると、ものすごい怪訝な顔で俺の事を見てきたが、飲み込んだ経緯を聞くとその表情はどこか複雑そうなものに変わる。
が、それは一瞬のことでじっと俺を見ると、その口を開いた。
「味音痴かよ。食わず嫌い王決定戦で優勝できるぞ」
「え、そう?」
「褒めてねえよ」
思っても見なかった返答に思わず俺は照れたけど、どうやら褒められているわけではなかったらしい。
でも俺は言われて嬉しかったから褒められたってことで認識しよう。