第4章 対面
「そのことなんだけど、僕も今から仙台行くことになったから」
「なんで?伏黒なんかやらかしたん?」
「実はねー……」
五条悟曰く。
昨日の時点で、両面宿儺の指は保管していた場所から姿を消していたらしい。
保管していた場所が百葉箱って知った時は、腹がよじれるかと思った。
笑い事じゃないけど。
さっきまで五条悟は上の連中に呼び出されていたらしく、特級呪物である宿儺の指が行方不明ということで探してこいと言われたらしい。
「も行く?」
「行かない。何が悲しくてお前と一緒に仙台行かなきゃいけねえんだよ」
「観光しに行こうよ~」
「いや、宿儺の指回収しろよ。あと伏黒も回収してこいや。弟子なんだろうが」
冷たく突き放せば五条悟はわざとらしくしょんぼりしたが、それを無視した。
「じゃあ行ってくるから、お留守番よろしくね」
ポンと、頭に手を乗せられそれを払いのける。
くすりと笑った五条悟は教室を出て行った。
私はまた一人、ぼうっと天井を見上げていた。
何もすることがないから、私は部屋へと戻りベッドに潜り込んだ。
数時間後、スマホの着信音で目を覚ませば五条悟からのLINEが来ていた。
開けば、頭から血を流すボロボロの伏黒と横で満面のピースをする五条悟、そして上半身裸のぐったりしている男が映った写真が送られてきていた。
「……どういう状況?」
まったく理解が追い付かない。
伏黒がボロボロなのをみて何かあったんだなくらいしかわからなかった。
まぁ、いいか。
あとで話聞けば。
私はスマホの電源を切って、また布団を深く被ったのだった。