第4章 対面
――夏油side――
2018年6月。
私は一人高専にいた。
二、三年の連中は任務に出かけ、伏黒も宮城県に行った。
宮城県の仙台市のどこだったか忘れた高校に魔除けとして両面宿儺の指が保管されているという情報が入り、それを回収するために伏黒に命が降りた。
五条悟はどっかに行ってる。
たぶん、任務か上の連中に呼び出されているか。
一人で体術だのなんだのやってもクソつまんないからなぁ。
どうしようかと考えながらぼうっとしていると、教室の扉が開いた。
「ただいま、。僕がいなくて寂しかった?」
「全然。つかさ、ずっと思ってたこと言っていい?」
「なぁに?」
「なんでプラプラしてんだ?」
「うん?」
「特級術師なのに、ほぼ高専プラップラしてんじゃん。暇なのか?」
「まっさか。忙しいよ。だからニ、三年にお手伝いしてもらってるんでしょ」
「つまりサボりか」
ずっと疑問に思っていた謎が解けた。
私に仕事を押し付けていたのは、勝負云々の以前の話だったのか。
このダメ教師が。
「つか伏黒遅くね?回収するのにどんだけ時間くってんだよ。獏かよ」
「獏がくらうのは時間じゃなくて夢だよ」
「知ってるわ。たとえだろ」
人の上げ足ばかり取りやがって。
伏黒は昨日、仙台に行ったはず。
回収して戻ってくるだけなら日帰りでもいいはずなのに。