第26章 事変
「掴まれ」
「ああ、悪い……」
肩に伏黒の腕を回し、ゆっくりと歩き始める。
109の方面から行った方が近いか。
つうか、こいつ見た目に反して重いな……。
横にいつも虎杖がいたから麻痺してたけど、こいつも男で筋肉はついてんだもんな。
そりゃ、重いわけだ。
「くっそ……。私もちゃんと筋トレしときゃよかった……」
「え~、女の子は少しぽっちゃりしてる方が可愛いと思うよ」
「!?」
突然後ろから声が聞こえ、振り向こうとした瞬間伏黒が私を突き飛ばした。
尻餅をついた状態で上を向くと、私を庇った伏黒は背中から血を流していた。
その後ろには金髪の細い男が刀を持って立っていた。
「これこれ。こーいうのよ!!こーいうのが向いてんのよ!!」
「伏黒!!!」
地面に倒れる前に伏黒を抱きしめ、声を掛ける。
反応はあるものの、これは時間の問題だろう。
呪力の消費に、脇腹と背中の怪我。
早くこの場から逃げないと……。
「伏黒、私が時間を稼ぐから、早く家入硝子の所に……」
と言っても私もさっきの領域展開で呪力を消費している。
どこまで稼げるかは分からない。
じりじりと金髪細身男との距離を広げていく。