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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第26章 事変







領域内にぶら下がる錠の数々。
その一つ、"Achilles tendon"と書かれた錠へ鍵を差し込む。
この男の驚異的なスピードをどうにかしないと意味がない。
動きを封じ込めるためには男のアキレス腱を切るほかないだろう。
必中効果のある領域内だ。
失敗するなんてことはない。

錠に鍵を差し込み"破錠"で男の左足のアキレス腱を壊そうとした時、鍵を回すよりも早く男が間合いを詰めてきた。
それをギリギリで躱し鍵を回す。
パンッ!!とゴムが切れたような音が響き渡る。
糸の切れたマリオネットのように倒れ込む男。
だが、それも一瞬のことで男はすぐに立ち上がった。
……化け物かよ。
普通の人間なら立つことさえできないのに。

それに避けたせいで、私の後ろにいた伏黒と男の距離が縮まってしまった。
これでは伏黒が簡単に狙われて殺されてしまう。
実際、男は三節棍を伏黒へと向けて振りかざした。
しかし、アキレス腱を切断されているせいでバランスを崩し、その隙をついて後ろへと下がった伏黒。
だが、一歩遅かったのか男の執念かは分からないが、三節棍は伏黒の脇腹へと刺さった。

「うっ……!!」

脇腹から噴き出す真っ赤な血。
たった数秒のできごとなのに、まるで数十分にも思えるような光景だった。
これ以上、伏黒を負傷させるわけにはいかない。
私は素早く鍵を右足のアキレス腱と書かれている錠へと差し込んだ。

「オマエ、名前は」

鍵を回そうとしたその時。
男は口を開いた。

突拍子もない質問に私も伏黒も頭の中にハテナマークを浮かべた。
なんでいきなりそんなことを聞くんだろう。
疑問はそれだけじゃない。
男は伏黒から一切目を離そうとしない。
後ろには私がいて、ここは領域内で、先に攻撃すべきは領域内の主である私のはずなのに、男はただじっと真っすぐ伏黒を見つめている。





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