第26章 事変
私が唇を噛みしめ、言葉に詰まっていると虎杖の耳についていたミニメカ丸が私の代わりに説明してくれた。
悟を奪還を共通目的にするために虎杖が派遣されたこと。
渋谷駅各地下鉄路線の隣駅から術師を向かわせること。
"術師をいれない帳"が上がり次第突入すること。
内通者だったから詳しいのかと思ったけど、もしかしたらミニメカ丸はどこかであの地下ホームの戦いを見ていたのかもしれない。
『今渋谷駅構内は正に伏魔殿。特級とソイツらが連れて来た呪霊。夏油の息のかかった呪詛師。そして改造人間と一般人』
「確かにそれなら地下鉄の隣駅から攻めた方が速い。だが、そのためにはまず"帳"を解かなければ」
『緊急事態だ。マルチタスクで頼ム』
眉間に皺を寄せる七海。
この緊急事態に私達学生を巻き込みたくないと思っているのだろう。
だけど、ミニメカ丸の言う通り緊急事態だ。
悟が封印されたことで、均衡が崩れる。
それはつまり呪術界も人間社会もひっくり返るということ。
それほどまでの力をあの男は持っているんだ。
七海は深く息を吐いて、眼鏡のブリッジを上げた。
「1級でしか通らない要請がいくつかある。外に出て伊地知君とそれら全て済ませて来ます。4人にはその間に"術師を入れない帳"を解いてほしい」
「七海、私も」
「駄目です。夏油さんも"帳"を解いてください」
「…………」
やっぱりオマエは私を連れて行ってくれないんだな。
私だって1級なんだけど。