第26章 事変
まずは、外で一体何が起きていたかを知りたい。
私の問いに七海が簡潔に話してくれた。
渋谷に最大半径約400mの"帳"が複数下ろされたこと。
だが、七海たちは"帳"の外で待機をしていたという。
悟と私が指名されたことで、そのこぼれ球を拾う役目だったと。
だが、建物内に待機をしていた改造人間たちがいきなり非術師を襲い始めたと言う。
いきなり襲い始めたのは悟が封印されたからだ。
だから外で待機していた七海班、日下部班、禪院班が突入。
その時に虎杖が七海を呼んだという。
「それで、何があったんですか?」
七海の声が鋭くなる。
それはそうだ。
彼等が知りたいのは、なぜ五条悟が封印されてしまったのか。
最強であるあの男が簡単にやられるわけがないからこそ、詳しいことを知らなければいけない。
「おにい……夏油傑が生きていた。でも何者かに操られている。私は悟の動きを封じ込めるためにまんまと利用された」
夏油傑。
この名前に七海の目が大きく開かれた。
そして、一緒にいた帽子を被った男も。
それもそうだろう。
だってお兄ちゃんは悟が去年殺したんだから。
そう、お兄ちゃんは死んだ。
死んでいた。
分かっていたはずなのに、なんで私は気が付かなったんだろう。
なんで簡単に騙されてしまったんだろう。
グッと拳を握り締めた。
後悔ばかりは募るのは、己の浅はかさに嫌気がさしたから。