第5章 観光
そうしてまえよんたちは、コハウパ……ウパちゃんと一緒にアツクラを案内することになった。
ヒカックがやたらウパちゃんを気に入った様子で話し掛けまくっていたが、ウパちゃんがずっとコハロンの腕に巻きついて離れないからナンパ? は途中で諦めたみたいだ。
ぎぞくは前に出てアツクラ内を色々と案内してくれていたが、ぽんPだけずっと向こうを見ていた。ぽんPのことだから何か考えがあるのだろうと俺はぎぞくについて行くことだけに集中していると、とうとうぽんPが話し出した。
「あのさ、他のウーパールーパーはどこ行ったの?」
それは、ウパちゃんに聞いたことだった。ウパちゃんは立ち止まり、ぽんPを振り向く。
「分かんない。ウチだけが人間になってたの」
「コハちゃんの作ったお店にいるんじゃない?」
ウパちゃんの言葉に取り次ぐようにヒカックは言ったが、そういえば、とぎぞくはこんなことを言ったのだ。
「そういえば、コハロンさんが作った店に、ウーパールーパーいなかったんだよな。先にそっち見に行ってみるか?」
「ウパちゃん、どうする?」
コハロンが訊ねると、ウパちゃんはより腕にきゅっと巻きついてきながらも頷いた。
「うん」
何か意味深そうな返事に、コハロンは気にしないようにした。