第19章 脱出口は
その時、コハロンの足に何かが絡みついて大きく転んでしまった。
「コハロンさん!」
「アナタ、何してるの」
「早く立って立って!」
ヒカックとぽんPとぎぞくが立ち止まって振り向く。ごめん、とコハロンはすぐに立ち上がろうとしたが腕にいたはずのウパちゃんがいない……!
焦ったコハロンだが、それを言葉にする冷静さはない。ねぇ、ちょっと、待って。自分を起こそうとする仲間に誰を探しているのかも伝えられないままコハロンの言葉は詰まった。そうしている内にも蠢く影がそこまで迫っていて、それが丁度コハロンの視界のみに映り込んだ。
「みんな、後ろ……!」
「えっ」
コハロンの声はよく通る。みんな驚いて振り向いた時、大きな目玉がすぐそこまで迫っていて皆絶叫した。
「うわぁあああああ!!!!」
その時だった。
どこかに行ったはずのピンクの背中を、視界の端から飛び出したのをコハロンは見た。そのピンクの背中がみるみる大きくなり、可愛らしさとは裏腹に、逞しい巨大なウーパールーパーになったそれは二本足で立ち、一つ目のバグの前に立ちはだかった。
「大丈夫。ウチが守るからね」
そんなウパちゃんの声が聞こえた気がした。