第18章 猛攻
「ウパちゃん、大丈夫か……?」
コハロンが言い切らない内に見やったウパちゃんの姿を見て息を飲む。ウパちゃんは、もう人間の姿ではなかったのだ。この世界によくいる、ウーパールーパーの姿になっていた。
「こっち行けそう。早く、立って!」
後ろからぽんPの声が聞こえ、コハロンはウパちゃんだったはずのウーパールーパーを抱えて立ち上がる。今さっきまで行く手を阻んでいた大岩が、何らかの衝撃でぱっくり割れていたのだ。影は未だに暴れている。行くなら今しかない。
「今行く!」
コハロンはウーパールーパーを抱き直して走り出した。地面が常にぐらついていて油断すると転びそうだ。そうして割れる地面をいくつか切り抜けたところでヒカック、ぎぞくと合流した。早くここから出よう、でもどうやって? 話し合う間もないまま影からの急襲。まえよんたちはとにかく我武者羅に走り続けていた。
それがまた、バグをますます怒らせたらしい。
「大人しく消えればいいものを! なぜ足掻く!」バグの大声が再び轟く。「そんなに一緒にいたいなら、全員同時に消してやる!!」
何をするのか、とまえよん全員が見上げた先に、あの大きな黄色い一つ目が現れた。
その目が一回、二回瞬きをした直後、真上から何かが蠢いた。黄色い一つ目は消えた。何が起きたのか分からないが、薄暗い天井から恐ろしい何かが迫ってきているということが分かる。とにかく走れとまえよんたちは前進を続けた。どこか出口なのか分からないまま……。