第18章 猛攻
バグからの攻撃はそれだけでは終わらなかった。次から次へと影の腕が伸びてきて無差別に振り下ろされ、地面を抉る。
すんでのところでなんとかかわすが、かわすのが精一杯だった。さらにいうとウパちゃん側への攻撃が激しく、まえよんたちは逃げ回るしかなかったのだ。
「ちょっと、ボーッとしてないで手伝って!」
「え、何っ」
コハロンが振り向くと、そこには大きな岩が。ぽんPは押して大岩を避けようとしていた。周りは瓦礫と穴だらけ。そっちに進むしかないようだが、二人だけで動くような気はしなかった。
「これ動くのか……っ?」
「いいからやるだけやる!」
不安を口にするコハロンに対し、ぽんPの声は鋭い。焦っているのは、ぽんPも同じみたいだ。
「わあ、ウパちゃん!!」
その時背後からヒカックの叫び声。思わずそちら側に気を取られると、そこには転んだウパちゃんに、影の腕が襲いかかろうとしていた。
「ウパちゃん!」
とコハロンが呼び掛けた時、ウパちゃんとふっと目が合った。くるりと人らしくない大きな目がコハロンを見つめる。その瞬間、人間とは思えないスピードと動きで、唐突に跳ねたのだ。
「コハロン! ウチを受け止めて!!」
「えっ」
ウパちゃんの言葉をゆっくりと理解する余裕はなかった。影によって割れた地面の裂け目からこちら側に飛び出したウパちゃんに向かってコハロンは反射的に両腕を広げた。まるでスローモーションがかかっているみたいだった一瞬。とんっと思っていたより軽い重さがコハロンの胸に飛び込んできた。