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世界の終わりに君と[me4]

第17章 対峙


「ウチは、世界とか、アツクラを壊したいから人間になりたかったんじゃない」ウパちゃんの力強い言葉が続く。「楽しいアツクラに連れて来てくれたコハロンに、ありがとうって伝えるために人間になりたかったの!」
「え」
 そう思っていたのか。だから、ウパちゃんはこうして自分の目の前に現れた。
「ありがとう、だと? そんな言葉で何が変わるという! 何が世界を変えるという!」バグはゲラゲラと笑った。「人間はこの世界には必要ない! 必要のないものは消すべきなのだ!」
「違う! 必要のないものも、大事だもん!」
 ウパちゃんが負けじと言い返した時だった。
「危ないっ」
 と叫ぶぎぞくが飛び出した。何事か、と判断する前には黒い影が伸びてきて地面を抉る。衝撃でコハロンたちはバランスを崩して尻もちをついてしまった。見ると地面が深く割れて、向こうにヒカックとぎぞく、こちら側にコハロンとぽんP、と分断されている。ウパちゃんはぎぞくの方にいて、なんとか無事みたいだ。
「バグ様、ウパちゃんごと狙ったんじゃ……」
 とヒカックの顔が青ざめる。ウパちゃんの表情は暗い。
「バグ様、どうして……!」
 ウパちゃんは暗闇に話しかける。そこにはもう、大きな一つ目はどこにもなかった。
「役立たずはいらん! お前ごとソイツらを消してやる!」
 そんな恐ろしい言葉だけが、辺りに響いた──。
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