第1章 異変は突然に
「開けまーす」
ガチャ。
「コハローン!!」
「えっ?!」
扉を開けた瞬間出てきた何かが、コハロンに飛びついて押し倒してきた。これが女性だったらちょっと……かなり嬉しいけどどうせヒカックたちが仕掛けたイタズラなんだろうとコハロンは思った。
「コハロン、ウチ待ってた!」
黄色い声が降りかかり、コハロンの頭は大混乱。ヒカックたちはケラケラと笑うばかりでコハロンを助けようともしない。
「ちょ、ちょっと待って……え」
コハロンは体に乗る誰かを丁寧に避けて上体を起こす。
そこには、ピンクのヒラヒラした袖と背広? みたいなのを着ている見ず知らずの女の子がそこにいた。
「コハロン、ウチのこと覚えてないの?」
と女の子に聞かれてコハロンは内心焦った。こんな可愛い子、会ったことも忘れたんだっけ? 誰だったのか分からない。
「誰か分かんないの? コハロンさん」
ヒカックにそう囃し立てられコハロンは笑いを混ぜ返しながら考えた。全く分からない。
すると、女の子から先に答えを出してくれた。
「ウチ、コハウパだよ! コハロンに名前くれたから絶対間違えてないもん!」
「……え、どういうこと?」
コハロンはそれでも、理解が追いつかなかった。
『世界の終わりに君と』