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世界の終わりに君と[me4]

第15章 はじまりはおわり


 地上に戻ってくると、ぎぞくとぽんPが待っていた。無事で良かったと言い合ったり、ヒカックにちゃんとウパちゃん守れよと言ったり言い返したり。ウパちゃんはいつも通りケラケラ笑っていたけれど、コハロンはあの地下で見た光景が頭から離れずモヤモヤしていた。
 それからウパちゃんが瓦礫を片付けようとしたから、いいよいいよと止めた。ウパちゃんは不思議そうな顔をしていたが、いつかふざけ合う仲が出来たら、止めた理由も分かってくるんだろうか。
 それがきっかけか、ウパちゃんは何か考え込んだあと、ちょっと一人にして欲しいと言い出した。まえよんは誰一人止めはしなかったが、後を追った方がいいと皆にせっつかれ、コハロンはウパちゃんを追いかけることになった。
 ウパちゃんは、水浸しのあの家の前にいた。
「ウパちゃん」
「コハロン!」
 声を掛けると、相変わらず明るい声でウパちゃんは返事をした。ウパちゃんが何に落ち込んでいるのか読みにくい。
「何か悩み事でもあった?」
 とコハロンが聞くと、途端にウパちゃんの顔は暗くなって横を向いた。
「……分かんない。ウチ、何が正しいか分かんないよ」
「正しい……?」
 コハロンは、メッス拠点を爆破したことに罪悪感を持っているのかと思った。
「まぁ、正しいことではないよね」
 メッスは相当怒るだろうなぁと思ったが、それ以上に関係が悪化したことはない。それが知り合い同士のじゃれ合いなんだろうなぁとコハロンは思った。
「壊すことは、悪いこと?」
 と聞いて振り向いたウパちゃんの顔に、たまたまそこで跳ねたウーパールーパーの水飛沫が掛かった。ウパちゃんは水棲生物だから水に驚くことなく一回だけ瞬きをして、コハロンをじっと見つめる。思わずその様子に、コハロンは一瞬見とれた。
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