第13章 トラブルはつきもの
コハロンがメッス拠点に駆けつけた時には、まさに世界の終わり状態。地形は破壊され、建築物は見るも無惨に跡形もなくなっていた。
「ああ、ドッキリ仕掛ける前に爆発しちゃった……」
瓦礫の中から、そう嘆くヒカックの姿があった。コハロンは遠くにリスポーン&迷子になっていたので、メッス拠点に来るのが一番遅かったみたいだ。
「みんなは?」
とコハロンが訊ねると、ヒカックは分かんないと首を振っていた。
「俺はここだよっ」
やや怒り混じりの声音でぎぞくも瓦礫から現れた。横にはぽんPもいる。
「ウパちゃんがいない」
ぽんPの言葉にコハロンはドキリとした。あの人懐っこい可愛らしい女の子が、まさか自分たちの危険なイタズラでいなくなったと思うと後味が悪い。コハロンは焦ったが、ヒカックはその真反対だった。
「実は、爆発する直前、ウパちゃんが水に逃げたの見えたんだよね」ヒカックがあまり落ち込んでいなかったのはそういうことだったらしい。「一瞬しか見えなかったから分かんないけど……ほら、ここになんか水あったよね」
よく分からないオブジェに浅い水が張ってあったのはコハロンもよく覚えていた。今は爆発して干上がっていたが、よく見るとそこから一マスの深い穴が真っ直ぐと下へ続いていた。
「ここに逃げたのか……?」
とコハロンが穴へ覗き込むと、周辺の地面がガラガラと崩れ始めて体勢を崩した。えっ、と声を上げるより早くコハロンの体は大きく傾き、仲間が名前を呼んでいるのを間近で聞きながら、穴へと真っ逆さまに落ちて行った……。