第12章 危険なイタズラ
「ウパちゃん、こっちもこっちも!」
赤いキノコブロックを敷き詰めた領地内で、まえよんたちはある計画のためにTNTをいくつも持ち込んでいた。
「はーい!」
ウパちゃんはTNTがどんなものかも知らないままヒカックに呼ばれるまま赤い爆弾を運んで行く。コハロンも隣で運ぶのを手伝っていたが、ぎぞくとぽんPに何度も「間違って着火するなよ」と釘を刺された。
「ねぇ、コハロン」
「ん?」
作業をしていると、ウパちゃんがコハロンに声を掛けてきた。ウパちゃんの魚っぽい目がじっとコハロンを見上げる。
「アツクラ、終わっちゃうけど、キレイって思ったら大丈夫だよね」
「……? まぁ、心に残るなら……」
ウパちゃんの言葉にコハロンは歯切れ悪い返しをした。どういうこと? と聞くことも出来なかった。ウパちゃんはまた走ってヒカックたちの元に戻って行ったから。
「なんか……」
「怪しいよね」
「うわ、いたのかよ」
コハロンの独り言に口を挟んで来たのは他でもない、ぽんPだ。ぽんPはコハロンとの付き合いが長い。コハロンの言いたいことも、なんとなく分かったのかもしれない。
「アナタが女の子に好かれると思わないし」
「え、そっちの話?」
どういうことだ、とコハロンが問い詰めたところでぽんPはクスクスと笑って話をかわすばかりだ。
その内に、向こうでヒカックとウパちゃんが騒ぎ出した。
「わ、え、これ大丈夫っ?」
「ヒカック、これ何?」
ヒカックとウパちゃんのところには赤いドロリとした液体のものが垂れ流れていた。それを見た瞬間、ぎぞくが大声を出して飛び出した。
「おい、馬鹿っ、それはマグマだぞ! 離れ……」
ドガーンドガーンドガーン……!
TNTが爆発した音だけが聞こえた。