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世界の終わりに君と[me4]

第9章 バグ?


「あれ、ここは……?」
 繁茂した洞窟からネザゲ経由でオーバーワールドに戻って来たまえよんたちは、帰ってくるはずだった景色とは違うものを見て皆驚いた。
「ここって、MENさんの拠点じゃない?」
 ヒカックの言う通り、まえよんたちはMENさん拠点のネザゲに出てきてしまったのだ。
「あれ、おかしいな……」
 とぎぞくがネザゲを振り返ると、なぜかパリンと壊れてコハロンはびっくりした。
「え、え? どういうこと?」
 ネザゲが壊れる原因は色々ある。だが、ネザゲが壊れるようなことはしなかったはずだ。
「コハロン〜……」
 大きな声を出したからか、不安そうにウパちゃんがコハロンの腕にまた巻きついた。ごめんね、と肩を撫でて安心させる。ちっちゃくて妹みたいだ……って俺がデカ過ぎるのか。
「あ、俺火打石持ってるよ」
 そこに、エンチェスを開いていたぽんPが火打石を取り出した。
 カチッとぽんPが音を鳴らすとネザゲは開いたが、ぎぞくはそれでもなんで場所を間違えたんだろうとブツブツ言っていた。確かにコハロンも不思議に思っていた。ぎぞくも迷子になることあるんだなぁと。
「わ〜、これなぁに?」
「あ、ウパちゃん、そこ危ないよっ」
「えっ」
 いつの間にかMENさん拠点を散歩していたウパちゃんが、まえよんが仕掛けたTNTの罠の前にいた。ヒカックがギリギリで止めたが、ウパちゃんはTNTに興味津々だ。
「危ないのにこんなところにあるの?」
 とウパちゃんが言う。ちょっとイタズラだよ、こういうこともするんだと色々話しているとウパちゃんがぽつんとこんなことを言った。
「お友達に水の掛け合いっこするみたいな?」
「まぁそうかな?」
 ウパちゃんの質問にコハロンがそう答えると、ふぅんと言いながらTNTをじっと見つめた。きっと、前に店に一緒にいたウーパールーパーのことを思い出しているのだろう。
「行こうか、ウパちゃん」
「うん!」
 ヒカックたちが先に歩き出したので、いつまでもTNTを眺めているウパちゃんにコハロンが声を掛けた。ヒレみたいな尻尾と袖がヒラヒラと揺れる。本当に、ウーパールーパーが人間みたいになったみたいだ。
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